シリコンバレーでインターンしたDeNAエンジニアが起業した話

株式会社Beer and Tech でCTOをやっている伊藤です。

株式会社Beer and Tech を始めるまで何をやっていましたか?

以前のインタビューでもお話させていただきましたが、元々はDeNAのエンジニアとして2014年に新卒入社しました。

大学時代は東大の電子情報工学科でゲームを使ったAIの研究をやっていました。研究室はAIの研究がやりたくて入ったというよりは、今後のトレンドで絶対AIは来る!今のうちに勉強しておいたら絶対アドバンテージになると思い、えいやで決めました笑

どうして起業したの?

■ 最初はインターンから

大学3年生の夏に2ヶ月間リクルートでコンテスト形式のインターンに参加したのがきっかけでベンチャー界隈にのめり込むようになりました。コンテストの優勝商品がシリコンバレーへの切符でしが、優勝できずに3位という結果に...。とはいえどうしてもシリコンバレーに行きたくて、シリコンバレーでインターンをさせてくれる人をあちこち当たっていくうちに、コーヒーミーティングという健全な出会い系(?)で知り合った方から、2ヶ月間アメリカシリコンバレーでのインターン先を紹介してもらいました。こんなチャンスもう2度とないなと思い、4年の夏に親から70万円借金をしてインターン開始まで残り2週間というところで、飛行機のチケットと初めてのMacを買って、飛び立ちました。宿や車なんてのは、なんとなかなります。

■ シリコンバレーで何してたの?

よく聞かれます。名目上はインターンで投資会社のシステム開発をしていました。しかし、当時は全くといっていいほどコードを書けなかったので、正直エンジニアインターンとしては成立していなかったです。折角2ヶ月間の有休を研究室からいただいたので、何かやれねばと思ってはいました。

その頃、一緒にインターンをしていた友人が現地の日本人にインタビューをしていて、色々な会社を巡っていました。これは良いなと思い、同様のスキームでインタビューをしつつ、現地の日本人とのコネクション作り現地の企業訪問を一緒にやっていました。現地は日本人のコミュニティ内でのコネクションが強く、Google、Apple、Oracleを始めとして、NASA、Twitter、Pixer、WiLなど様々な会社に行くことができました。

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日本人だけだと訪問できる会社にも限度があるので(それくらい現地で働く日本人の数はまだまだ少ないです)、最後の方は、日本人以外の方を紹介してもらったり、MeetUpでイベントに参加したりしてつながりを増やしていました。
最初はシリコンバレーにほとんどノープランで来て大丈夫かなと不安で仕方なかったです。しかし、結果としては現地の会社や人にお会いしお話を聞くことができ、大事なところで意思決定をする力強さ行動力(=根拠のない自信)を学んだように思います。

■ DeNA入社後半年で起業

DeNAには新卒で入社して、ビジネスマンとしてのマインドを叩き込まれ自走するエンジニアとして日々研修を受けていました。これほど猛烈に楽しい日々はなかったのですが、こんな大学生活を送っていたので、2年ほど社会人経験を積んだら起業することを志していました。
そのため、週末は代表の森田が始めたスマート予約というサービスをお手伝いをさせてもらっていました。そんな中、スマート予約がインキュベートキャンプというスタートアップの登竜門的なイベントに参加し3位に入賞し、これをきっかけに「やるなら今だ」とDeNAをやめてスマート予約に本格ジョインすることを決断しました。
ベンチャーをやるなら、早く一歩目を踏み出した方がリスクを軽減できると考えたことに加え、2年後こんなチャンスがあるかわからないので、入社して半年と早いタイミングでしたが腹をくくりました。
「世の中をこういう世界にしたい!」という明確なビジョンを持って起業したわけではなかったですが、どうしても我慢できなったというのが正直なところです。でもそれくらいの素直な行動力が、ベンチャーで働く人には必要だと思います!

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Beer and Tech ではどんな仕事を?

現在は、HitoHana(ひとはな)という事業で「花き産業のAmazonになる」ことを目指してしています。
役職はCTOとして参画していますが、ずっと開発をしているわけではなく、フェーズに合わせて重要なことに取り組んでいます。

例えば、小売(ECサイト)の場合は写真が重要な購買要因になることが多いです。プロのカメラマンさんを商品追加のたびにお呼びするのはベンチャーとしては非常に厳しく、それならいっそのこと自社で撮影スタジオを作ろうと。カメラの勉強をして機材を揃えいざやってみると意外にイケる。
他にも、植物の出荷所の立ち上げに取り組んだり、夜な夜な市場に行ったり生産者をめぐったりと様々です。現場で学ぶことは多く、毎日が勉強です。

エンジニアとしては、最先端のテクノロジーが好きでたまらないというよりは、サービスを伸ばしていくことが好きなので、ビジネス要件に120%応えられるプロダクト作りをしていきたいなと思っています。もちろん社名にいれるほどテクノロジーの力を信じていますが、テクノロジーはやりたいことをよりスマートに実現する手段だと思います。
お客さんのことをよく見て、サービスを愛する人と一緒に開発はやっていきたいです。

今後何を目指すか?

■ "Beer"な時間を増やす

Beer and Techのミッションは、テクノロジーを通じて、お酒を交わせるような仲間と過ごす時間を増やすこと。

代表の森田のインタビューでもお話していましたが、Beer and Techの「Beer」 はビールそのものではなく酒を酌み交わすような「誰かと一緒に過ごす時間」を意味しています。

メンバーは以下のバリューに従って、日々"Beer"な時間を増やすというミッションを追っかけて、多くの無駄な労働に時間を裂いている、花き業界でサービスを磨いています。

  • ユーザーファースト
    • ユーザー目線で「毎日スゴイ」を実現せよ
  • 重要思考・成長思考
    • 当事者意識を持って、事業機会の利益率をあげよ
  • メンバーへの感謝
    • 仲間にはポジティブな態度とありがとうを届けよ

代表がMBAをとっていることもあり、業務の中では重要思考が問われます。また、自分の成長機会を信じて、主体的に取り組んでいくことが期待されています。
また、代表や僕の気質だと思いますが、やっぱりメンバーを大事にしてコミュニケーションを取っているように日々の業務の中で感じます。キングダムの飛信隊のような感じです。一緒に働く仲間と腹を割って楽しく話せる職場を今後も維持していきたいです。

社会に応援される急成長企業を作る

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個人としては、「社会に応援される急成長企業を作る」ことを目標に掲げています。
インターンからスタートして、シリコンバレーに行き起業して2年になります。起業したときはビジョンもなく、がむしゃらに事業に取り組んでいましたが、やっぱりなんのためにやっているのか?という疑問はずっと頭の中にちらついていました。だから、1つだけでいいから最低限の目標を決めようと思い数ヶ月悩んだ結果、「社会に応援される急成長企業を作る」これだけは守ろう、達成しようと目標にしました。

僕自身、戦略が大好きだし、事業をやっていると数字を追ってがむしゃらにそれこそなんでもやってしまう。周りにだって迷惑をかけっぱなしである。それでも社会に応援されるためには、道理に反したことは絶対やらない。後で振り返ったときに、一緒にやっていたメンバーやお客さんに対して、本当に恥ずかしい、申し訳ない、と感じることはやらないようにしようと思いました。"Beerな時間"を過ごす仲間を世の中に増やすことに注力するため、フェーズに合わせてサービスや組織作りに力を入れていきたいと思っています。そうすれば、結果として急成長企業になってしまう。そんなストーリーを目指しています。

さいごに

優秀で才能もある仲間と働ける。そんなのは当たり前の時代だと思います。MBAや◯◯エンジニアなんて溢れています。
だからこそ、Beer and Tech では、重要思考・成長思考が出来た上で、腹を割って楽しく働ける仲間と共に"Beerな時間"を過ごす仲間を増やすというミッションを追っていきたいと思います。もし、ご興味をもっていただければ一緒に働きましょう。